HSCの子どもに学ぼう

猪名川町教育委員会主催 第31回猪名川の教育オープンセミナー「繊細な子どもに学ぼう」『繊細な子どもHSCの特徴と多様性~強みをはぐくむ向き合い方~』 で教職員や保護者のみなさまに HSCの子どもたちの感じ方やどう向き合えば良い関係性を築けるか をお話させていただきました。

 

 

様々な刺激を受け取りやすい子どもたち=繊細な子どもHSCがいます。 人種・性別に関わらず5に一人のHSCは生まれ持った気質のことで、病気や障がいを指す言葉ではありません。

 

また気質は性格の土台となるもので、瞳や肌の色のように変わるものでもありません。

 

HSP(おとな)/HSC(こども)であっても、何に敏感か繊細かは人それぞれです。 これはHSP/HSC同士の親子・兄弟姉妹でも異なりますし、育った環境によっても異なります。 

 

そして、HSCかそうでないかは下図みたいにパキッと分かれるものでもありません。

 

HSCDOSEと呼ばれる特徴を4つとも持ち合わせています。

 

D 深く処理する(考えすぎる)

O 刺激に敏感(神経が高ぶりやすい)

S 感情に繊細(感情反応が強く共感力が高い)

E 些細なことをキャッチ(気が付きすぎる)

 

 

では非HSCの子どもたちはDOSEの特徴をひとつも持ち合わせていないのでしょうか?

答えはNO。 非HSCの子どもたちも、4つ全部でない・・または強弱があるにしろ持ち合わせているでしょう。

つまり、感情に繊細で他の子が怒られているのに自分が怒られているかのように感じるお子さんはHSCだけではないのです。 非HSCの中にも、誰かが怒られる瞬間怖い思いをしている子がいるかもしれない。 そのせいで学校が怖い所になってしまう子がいるかもしれない。 このことを常にイメージしていただければと思います。

 

HSCの子どもたちは周りをよく観察し、その場の雰囲気にあわせすぎる傾向が強いです。 自分の発言が周りにどう思われるかを考えてしまい、表現すること自体をやめてしまうこともあります。

そんなHSCが周囲を気にせず自分の感性をストレートに出せる環境であれば、HSCかどうかに関わらず、みんなが感情や感性をオープンにできる環境でのびのび過ごせることでしょう。

上の絵は女の子ですが、男の子も同じ。(HSPは性別・人種に関わらず5人に一人)

 

男の子は「お花がきれい」「美しい」と口にするだけで、「男のくせにきっしょ」「きもっ」って言われがち。 でも、お花がきれい・美しいと思っている男の子HSCだけでなく、非HSCの中にもいるはずですよね。😊 

 

つまり、

HSCが自分を出せる環境は、誰もが感性を出せる環境。

 

HSCの子どもたちも非HSCの子どもたちも十人十色

百人いれば百様の感性があり、感性はそのお子さんだけのもの。

 

HSCかどうかに関わらず、一人ひとりにあった環境感性を大切に育むことが子どもの強みに繋がっていくのでは。 

 

 

とお話させていただきました。😊

 

<ご感想>

 

・HSCの事は何となく知ってはいましたが、充分な理解が出来ていなかったので、知ることができました! 考え方のヒントも頂けて、改めて個性の違いを楽しもうと思いました。 1時間半とは思えない程、お話に引き込まれ、あっという間に感じる楽しい研修でした。 ありがとうございました。

 

・先生がとても明るくて楽しい方でした。 とても勉強になりましたし、また自分自身でも本も読んでみたいと思います。

 

・誰もが何かしらの特性があるのだと思います。 「ふつう」は周りにいる人で基準が変わる、それが誰かを傷つけることであったらいけないと思いました。 話が聞けて自分自身のことも見つめ返すきっかけになりました。 ありがとうございました。

 

・HSCとは何か今日までよくわかっていませんでしたが、今日のセミナーに参加して、自分の子どもによくあてはまっていることに気が付き、子どもとの向き合い方を考え直すきっかけ、参考になりました。 ありがとうございました。 ありのままの我が子を受け入れ、育児、家事、頑張ります!

 

・障がいとは違う、いろいろな感じ方の人・子どもがいる中、線引きして考えるのではなく、一人ひとりの完成として向き合うことができるようにしていきたいです。

 

・こどもや自分のこと、周りの人のことについて知る・認め合うことにつながる機会となりました。 「生きづらさ」ではない! 自分の意識を変えていく時間となりました。 学びの時間をありがとうございました。

 

・HSPのため不登校になっている子どもがいます。 先生方の中にこういう子たちがいるのだという認識が広まることで認めていただけたという安心感を持てる子が増えるように思います。 (実際この講演の前からHSPですよねと共感してくださった担任の先生の言葉がとても救いになっています)

 

こういう子どもたちも学校以外でも学べる環境整備が整えられるといいなと思いますが、まずは校内でも皆さんにこういう知識が広まってくださるとありがたいと思いました。

 

・HSPセルフテストのチェックシートからみると自分はあてはまらなかったが、わかる部分もたくさんあった。 個性をひとりひとり受け止められるよう、子どもと接していきたい。

 

 ・詳しく学べました。蘭やタンポポに例える等、分かりやすく教えていただきよかったです。 一人ひとりの子どもの気質・特徴を大事に守りながら育つサポートをしたいと思います。

 

HSP/HSCという言葉は知っていたが、具体的なことは知らなかったので今回知ることができてよかったです。 自分自身に当てはまることも多々あり、対策を知ることができたり、他にもいるんだと知ることができたりしたので、よかったと感じました。

 

・分かりやすく、楽しいセミナーでした。 自身も子どももHSP/HSCです。 知ることで、子育てが本当にらくになりました。 担任の先生も知識があることで救われたこともあったので、学校の先生が理解くださることにとてもありがたいと思います。

 

・今日はありがとうございました。私自身、周りに気遣い過ぎて疲れることもあり、繊細なところがあると思っていました。 自分のことより周りを優先してしまい、自分の意見がなかなか言えないところがあり、自分の意見をどんどんいえる方がすごいと思っていて、言えない自分はダメなように感じていました。 

でも今日のお話で、私のようなタイプも必要で大切だと感じました。 私のようなタイプだからこそ、同じことに悩む子の気持ちもわかってあげられるはず、そう思って子どもたちと向き合いたいです。

 

 

<ご意見>

 

・子ども一人ひとりを理解する姿勢を常にもつことの大切さを改めて考えるよい機会をいただきました。ありがとうございました。 ただ、HSP/HSC発達障害とは違う、という話には疑問を感じます。 発達障害のある子どもやその保護者にとって、この区別の考え方はどのように感じられるのかな、と。 私自身ももっと学ばないといけないなと思いました。

 

<ご意見への回答>

ご意見をありがとうございます。

HSP/HSCは心理学上の概念で、発達障害は医学領域の診断名となります。

 

HSP/HSCは研究分野としては日が浅く、定義や判断など専門家内でも異なる見解があります。 当セミナーはHSP/HSC提唱者:心理学者のエレイン・アーロン博士の説を基本に説明させていただきました。 

現在は心理学者・小児精神科医等の見解も含めて、HSP/HSCは発達障害とは別物 というのが通説ですが、別物ながら

・HSP/HSCと発達障害は全く重ならない 説
・HSP/HSCと発達障害と重なることもある 説

がございます。

 

当日配布資料にも明記いたしておりますが、お子さまに気になることがあるのならば、自治体等の相談窓口を利用いただくようお勧めしております。

 

 

 

猪名川町教職員・教育関係者のみなさま、地域のみなさま、本当に多くの方にお越しいただき感謝の気持ちでいっぱいです。 また、会場運営・手話通訳・要約筆記・保育スタッフの皆様にも大変お世話になりました。 心より御礼申し上げます。

 

このセミナーが、子どもたちとの向き合い方・関わり方等々のヒントになりましたならば幸いでございます。🍀

 

豊中市登録市民公益活動団体

ほくせつマメの木 副代表

【とよなかHSP情報会】担当

熊川サワコ@HSC子育て経験有HSP